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回遊居

戦後まもなく区画された未接道借地の庭付き一戸建に住む夫妻は、新たに接道部分を取得し借地契約も整理して終の棲家に建て替えることに。
敷地は130坪以上と都区内の一戸建てとしてはかなり広いが、東西南方向には2m以上の高低差があり、さらに周囲は中高層のマンションや住宅に建替えられ南側の広い庭も周囲から見下ろされ冬は日陰が目立ち夏は草刈りが欠かせない状況だった。
 
安全条例で敷地周囲の既存擁壁からの隔離と崖の勾配に必要な部分は外周の庭と考え、残った敷地中央付近に中庭のあるロの字型の平屋を計画した。
外周の庭は南西や北西の視界が通る方向を見定めて開放し、深い軒と格子戸で周囲からの視線を和らげ、デッキの食事や菜園、庭仕事が楽しめる場所になっている。
一方周囲を気にせず開放できる中庭は、様々な居室がシェアハウスのような距離感で繋がりいつも外の自然と内の人の気配が身近に感じられる。
 
空調は空気が回りづらい平面プランを考慮してエアコン1台の冷暖空気をファンとダクトで全室に送り四季を通して省エネで快適な室内環境を保っている。

写真:吉田 香代子

床下空調コンフォート24>>

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